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2016年07月01日
金曜日
”正義の戦争”はない(2016年5月25日) ( 教室通信 )
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近代の戦争を調べてみると、戦争当事国のほとんどすべての国が「平和と民主主義を守るため」「わが国の領土を守るため」「自国民を守るため」「抑圧されている人々を救うため」・・という“大義”を掲げています。
あのナチスドイツがポーランドを侵攻制圧したときのヒトラーの演説は「東ヨーロッパの平和と安定のための新たな民族秩序の構築」でした。戦前の日本の中国侵攻は「アジアの平和」、太平洋戦争は「米英支配からのアジアの解放」がその“大義”でした。それに対して連合国側は「帝国主義の脅威から自由の国を守る」のが“大義”でした。アメリカは対イラク戦争では「イラクが隠し持っている大量破壊兵器の脅威から世界を守る」という“大義”で大規模な戦争を始めたことが、現在の中東混乱の原因の一つになっています。
仮にナチスドイツがヨーロッパを制圧したとすれば、ヒトラーは“ヨーロッパに民族秩序と平和をもたらした英雄”になっていたことでしょう。
ホンネと裏腹であることを多くの人が意識している“建前(タテマエ)”と違って、“大義”は、多くの国民がそれを信じ込んで、命を懸けてしまうところに恐ろしさがあります。
戦争は、“正義の仮面”をかぶって始められ、膨大な数の庶民の悲惨な死と底知れぬ苦難だけを残すものであることは、過去の戦争も現代の戦争もこれからの戦争も変わりありません。その意味では、外国に対してカッコいい“ツッパリことば”が出てきたときは要注意ですね。アメリカのトランプ氏や、「日本を取り戻す」と言っている人に危うさを感じる理由です。
そのあたりのことを書いたのが、河田宏さんの「日清戦争は義戦にあらず」(彩流社刊)です。河田さんは、明治以降の戦争の深層と庶民とのかかわりを考え続けてきた近代史研究家です。半世紀以上に渡ってぼくが尊敬してやまない先輩でもあります。今回の作品では、清国の横暴に苦しむ朝鮮の人たちを助けるための戦争と信じて日清戦争に輸送を担当する軍夫として参加した秩父の一農民・柳原正男の目を通して、戦争の本質を書いています。ぜひ多くの人たちに読んでほしい作品です。著者扱いで1600円(20%引き)です。
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