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TOP教室通信スパッと決めてほしい?(2011年1月25日)

2011年01月30日 日曜日 スパッと決めてほしい?(2011年1月25日)     ( 教室通信 )

img1「わかんな〜い」という子に問いかけながら説明していると、しっかり理解しているはずなのに、どこか納得できない表情をしていることがあります。ふだんは禁句にしているのですが、とうとう「どこがわからないの?」と聞くと、「結局答えはどうなるの?」と言います。「あそこまでわかっているのだから、答えはおまけか付録のようなものだよ。テストだってピッタリ同じ問題が出ることはほとんどないのだから、考えることが勉強の中心だよ」というと、やはり不満そうです。どうも、すっきりした結論と答えの保証?がほしいだけだったようです。
じつは、大人の社会でも“スッキリしたい”気分は多くなってきています。2001年から5年間も政権を担当した小泉純一郎元首相が、「自民党をぶっ壊す」発言に始まるさまざまな“ワンフレーズ政治”で、国民から圧倒的な人気を得たのはその表れのひとつでした。考えてみれば、地域のしがらみが薄い大都会の首長たちの多く(石原慎太郎東京都知事・橋下徹大阪府知事・河村たかし前名古屋市長など)が、冷静な議論抜きの“わかりやすい結論”と強いことばを武器に高い支持率を誇っています。
 しかし、外交も財政・経済も環境も地方行財政でさえも、さまざまな要因が複雑にからんでいて、とても一筋縄でいくものではありません。大きな方向だけを示して(現政権はここが不足?)、あとは状況や条件の変化に合わせて適切に調整していかなければならないはずなのに、「すぐに結論を出せ、具体策を示せ」と言うのは言葉だけはカッコいいけれど、独断的なリーダーを生み出し、取り返しのつかない方向に進みかねません。
冒頭に書いた子どもたちの気分とこうした社会の風潮は、「スパッと決めてほしい」「早くスッキリしたい」という点で重なっているような気がします。“考えること”“地道に取り組むこと”“冷静に問い続けること”というエネルギーを失いかけていることの表れでなければよいのですが・・・。
 この通信では珍しく政治的な問題に立ち入ってしまいました。これは、「子どもたちにとっては、じっくり考えることで、その場限りではない安定した学力をつけてほしいし、社会に対しては、冷静な議論と複眼的な見方を大切にして、相互信頼社会を築いていってほしい」という、おじさんのつぶやきです。

 

 

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