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2011年09月29日
木曜日
閖上(ゆりあげ)(2011年9月27日) ( 教室通信 )
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3月11日、あの大震災があった日、ぼくとおばさんは強烈な揺れが収まって、家に異常がないことを確かめたあと、東北地方に大きな被害が出ているとのラジオニュースで、ふだんはめったに見ることのないテレビをつけました。
そこには画面の右から左に向かってぐんぐんと広がっていく大津波のすさまじい姿が映っていました。破壊されながら押し流される家々、海岸線と平行の道を逃げまどう車、もう「ああっ」ということばしか出ないまま、ぼうぜんと見つめていました。それから次々と画面が切り替わって各地の惨状が映り始め、ハッとわれにかえってテレビを消し、二人とも無言でした。その後、わが家のテレビに津波の映像が映ることはありませんでした。新聞とラジオで知る被害の大きさに改めて息を呑み、なにもできない自分が歯がゆい思いでした。
そして、あれからおよそ半年が経った先日、仙台の友人に案内されて、あのとき最初にわが家のテレビで見た名取市の閖上(ゆりあげ)地区を訪れました。何の被害もなかった自分が被災地に足を踏み入れることについて何度もためらいました。
商店街と住宅地が入り混じっていたという地区には、すっかり破壊された家が点在するだけで、だだっ広い荒地でした。その荒地の中に放置された車や船が無残な姿をさらし、遠くに瓦礫(がれき)の山がいくつも見え、そのガレキを運ぶトラックが行き交う、まさに荒涼とした風景が広がっていました。吹く風は寒々として、すべて流されてしまったコンクリートの土台にはもう生活の匂いはなく、かすかな潮の香りがするだけです。その土台の隅で小さな鉛活字をいくつか見つけました。老舗の印刷屋さんだったのかもしれません。この家の人たちは助かったのでしょうか。長い長い生活の営みが、あの日にプツンと終わってしまったことだけは確かです。そして、先日の台風15号によって、あの地区につながる橋が押し流され、復興のための工事がすべてストップしていると聞きました。
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電 話 |
048-833-7655
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受付時間
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9:00〜22:00
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定休日・備考 |
特に設けておりません。 |
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住 所 |
〒330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤3-14-20 |
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交 通 |
JR京浜東北・根岸線北浦和駅 徒歩7分 |
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